03.02.19

論文

金属粉末射出成形のマイクロ化と高品質化に及ぼす金属粉末の影響

日本機械学会 M&P2003



マイクロ放電加工やレーザー加工などの精密加工,さらにLIGAプロセスによる超微細加工技術を射出成形用金型の作製に応用したマイクロ射出成形プロセスの研究開発を進めている.これに使用される材質は,複雑形状の3次元超微細構造を有する金型への転写性の高さから,低粘度低融点である高分子材料が有用であるが,金属やセラミック部品の応用展開も期待される.そこで,粉末射出成形(Powder Injection Molding, PIM)のマイクロ化技術を基盤として,上述の超精密金型を用いたマイクロPIM(μ-PIM)製造プロセスを確立することが研究の目的である.
本報は,金属粉末とバインダを混練した原料を金型に射出成形し,脱脂および焼結工程により焼結品を得る金属粉末射出成形(Metal Injection Molding, MIM)のマイクロ化と高品質化のための原材料の影響を調査検討した.3種類の異なる粒径および製造方法の異なる原料粉末を用いてスプリング形状のマイクロ試験片をマイクロ射出成形機により成形した.原材料粉末や焼結条件の違いが成形性,焼結性および結晶粒成長に及ぼす影響について調査検討した.