μ-MIM技術ニュース Vol.02

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

工程能力に注目したμ-MIMの品質管理

日本製品の“品質”は現在も国際競争力を発揮する根幹の一つであると我々は考えています。
金属射出成形(MIM)は金型を使用して金属製品を製作する数百個程度の中量生産から数十万個を超える大量生産までを効率的に行うことができる加工方法で、我々の開発したμ-MIMでは高精度部品 の大量生産を要求される場合が多いです。

特に、近年需要が拡大している医療機向けの部品ではより高いレベルの品質管理が要求されます。
そのため弊社では品質に対し継続的な活動をしております。
その判断基準となる工程能力指数(工程が生み出す品質特性値のばらつき幅)の管理もその活動の一つです。
製品ごとに異なる寸法や物性、機能性などの品質特性データを蓄積しております。
これらの品質特性は工程中の外観に現れる場合が多いので、要求に応じて高解像度3次元光学測定装置や高速測定装置等を使用したり、光学顕微鏡・電子顕微鏡を用いて検査をしています。

また、必要に応じて内部の状態もX線CT装置を使用して検査する場合もあり ます。
これらのデータを分析しながら、ばらつきの技術要因を特定し、高い品質を維持しております。

現場の細かい気づき・気配りがμ-MIMのモノづくりを支える

-試作時の測定整合が重要なカギ-

製造部営業技術の坂田です。
営業活動と並行し、技術者として試作評価・ 技術開発を担当させて頂いております。

試作受注から、量産移管までの、重要な一つのポイントとして、測定整合が御座います。
お客様より頂いた図面寸法を満足させ るため、金型設計や各種工程において試行錯誤を行っていくわけですが、試作品が実際にどのように仕上がっているのか、 または、弊社の測定機とお客様がお持ちの測定機にて、測定値に大きな差がないか、このポイントを如何に前段階で解決しておくかが、円滑な量産立ち上げに繋がります。

弊社の測定機では、GOM社製のATOSという3次元の非接触測定機、またはNIKON社製の高精度X線CTを主軸に使用しています。
どちらも、測定物を3D化し、3Dモデルにフィッティングすることで、モデルとの差異を必要箇所ごとのプロファイリング結果から確認する内容となりますが、事前にお客様先の測定機 の情報や、測定方法、開示頂ける範囲で使用用途から本当に重要な肝になる寸法がどこか把握し、最適な測定方法に基づくモノづくりを心がけております。
測定数値に惑わされない、安定したモノづくりの為には大切な要素ですので、試作評価させて頂く案件に関しては、綿密な測定整合をさせて頂きます。
お引き合いお待ちしております!


-部品測定データから得られたCADモデルの組立評価-
特に従来技術では測定不可能であったような微細・間隙・中空・嵌合領
域の測定結果は慎重な判断が必要です。