μ-MIM技術ニュース Vol.18

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.銅の高精度 MIM は太盛工業へ!

世界最多レベルの材料ラインナップと、製品精度でこれまでなかった部品を実現

前回のニュースでお伝えしたマイクロギアと同じく、MIM のご要望が増えているのは銅材料の MIM です。導電性、熱伝導性に優れた銅材料を放熱板や導電部品として使用したいという要望です。銅材料は材料単価が高く、切削加工すると材料歩留まりが悪いため、量産を行う上では不向きなケースが多く、実は MIM という製法が銅部品の量産コストを下げる上で、最も優れた方法のひとつなのです。

しかし一般的には銅の MIM は敬遠される材 料です。通常の MIM メーカーが用いている製造手法(特にバインダ関連)では銅材料への対応が困難で、品質のコミットが難しいという事情があります。今夏、ドイツやイタリアの企業を数多く訪問しましたが、日本と同様、ヨーロッパでも製作できる会社はほとんどありません。
従って、銅材料やチタンといった、一般的な MIM 材料の範疇から外れた材料については、一から成形、焼結等の諸条件の研究、設定が必要ですが、太盛工業では20年以上前から、 MIM のマイクロ化に焦点を絞り、世の中に無い独自の製造方法を研究開発部門の活用により続けてきました。そのため銅系材料をはじめとして、世界でも類を見ない幅広い材料・精度対応が実現できています。
純銅、銅合金、洋白など、銅系材料 MIM の製作は太盛工業におまかせください!

2.多孔質金属 新製品のご紹介

世界初!チタンポーラス金属を新開発!

太盛工業ではμ-MIM 技術の開発はもちろんですが、MIM だけに留まらず、高い機能性を持った金属部品の開発を行っています。これまでの技術ニュースでもお伝えしてきましたが、多孔質(ポーラス)金属も MIM と同様に開発に力を入れているテーマです。

多孔質系においては、単位あたりの体積に占める空孔の割合を空孔率として表現し、この値が大きいほど空孔が存在することになりますが、この新開発のチタンポーラス金属にお いては、空孔率が85%以上、各空孔の径は 2mm 以下というスペックを持っています。

これだけのスペックを持ったポーラス金属は、通常の一般的なポーラス金属の製法では、焼結時に数多くの品質不良が発生します。もっとも多いトラブルは、炭素や酸素の含有量がコントロールできず、焼結を行った後に、外観の悪さや材料強度の不安定、形状・精度の低下といった形で現れるものです。
しかしこの新開発のチタンポーラス金属では、独自の焼結条件の確立により炭素・酸素をコントロールすることに成功、安定した品質とスペックを実現することができています。
この新製品の用途としては、触媒の担体や電極材料、生体材料としての応用を見込んでおり、現在、各研究機関や企業への販売や、共同研究を実施しています。多孔質金属についてのお問合せ、サンプルのご購入は太盛工業の研究開発室までご連絡ください!

3.インターン実施のご報告

太盛工業では毎年夏から秋に掛けて、学生のインターンの受入を実施しています。今年は山形大学や大阪府立大学高専、近畿大学等からインターンを受入れ、学生に太盛工業の研究活動に参加してもらいました。
オーストリアの国際学会で発表するなど、大きな舞台に関わる研究もあったので、刺激を受けて貰えたようです。今後研究活動の道を選んでくれたら我々も嬉しいですね!

4.展示会出展のお知らせ

Medica2014(ドイツ)に出展します!

太盛工業の独自技術である超高精度MIM “μ-MIM®”は手術用鉗子や内視鏡部品などを中心に、医療機器メーカーから国内外問わず、高い評価を得ています。11月には昨年から引き続き、世界最大の医療機器展と言われる Medica に出展致します。展示会にお越しの際は、ぜひ我々のブースを訪問ください!

<今後の展示会・学会 予定>
2014 年 11 月 成形加工学会
2014 年 11 月 MEDICA 2014(ドイツ)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

現在太盛工業には、TAISEI KOGY0(Thailand)から、タイ現地で勤務している人材が研修で本社工場で働いています。現在のタイ工場でも MIM 製造には問題はありませんが、より高いレベルの仕事にタイでも挑戦するために、現在修行中の3人なのです。本人達のモチベーションも高く、今後が楽しみです!日本の生活も楽しいようで、集まると「休日はどこへ行こうか」なんて話してます。折角の機会なので色々楽しんで欲しいですね!