TECHNIQUE 技術ニュースレター
μ-MIM技術ニュース Vol.28
精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter
「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!
1. どれだけ微細・精密なものでも測れなければ意味がありません。
■ 複雑形状部品の内部構造評価
太盛工業で新しく導入したX線CTシステムは、非破壊にて精密部品の内部形状測定、3D スキャニング、精度測定を行うことができる測定システムです。
下記の製品は内部に段構造等が存在する世界最小 MIM 逆止弁ですが、このような内部形状の部品の評価は一般的な検査装置を用いて行うことは不可能であり、破壊試験を行うしか手立てがありません。
これまで、このような部品の評価が必要な際は、非破壊装置を所持している試験場か、製品を切断して測定・検証を行っていましたが、今後は社内で一貫して非破壊検査まで行えるため、内部構造評価や断面部の内部欠陥評価、CAD データとの比較による設計改善等、開発リードタイム短縮や品質向上につながるサービスをよりスピーディーにご提供することができます。今後とも太盛工業の技術にご注目ください!
2. 難加工材料部品の MIM 化
タングステン合金 MIM の量産を実現
近年、スマートフォンなど、小型情報端末に用いられる部品にとって、小型化、薄肉化という課題は、製品スペックと切り離すことのできない重要な技術テーマとなっています。
各種部品メーカーは性能向上を実現するため、日々新材質や新技術を用いての実験を行っています。その中で私たちは、MIM 技術で小型電子部品の業界に技術革新をもたらすことを研究してきました。今回ご紹介する電子機器向けの部品はそのような中で開発された技術のひとつです。
部品が小型になればなるほど、材料に求められる強度や精度はより重要性を増します。加工自体の高度化や検査工数の増加など、様々な面でコストアップの要因が現れます。
例えば情報端末向けの部品で重量が重要となる部品があり、機能を変えずに小型化を実現するには、材料の比重が重い金属に変更するしか手がありません。その一方で、比重が重い金属は軒並み加工性が悪く、特にタングステン合金ともなれば、機械加工で微小部品を加工していては、極めて高コストとなります。そのため MIM に向いた課題と言えるのですが、タングステン合金の MIM 化を行う際には、比重の重さを射出成形時にコントロールし、金属粉末を均一に成形する技術や、高いタングステン合金の融点に対し、うまく焼結条件をコントロールする必要があります。太盛工業はこの課題に対し、技術研究によりタングステン合金の MIM 化を実現、結果、量産ロットでのコストは機械加工の約 1/3~1/5 まで下がりました。タングステン合金部品のご相談は太盛工業まで。
3. 技術商談会出展のご報告
幅広い業界の方に太盛工業のμ-MIM を知って頂き、ご活用頂くため様々な商談会にも積極的に出展しています。
9 月から 10 月にかけては、「寝屋川市モノづくり企業総合展」「医療機器開発・販路開拓マッチング商談会」に出展致しました。いずれもたくさんの方と知り合うことができ、とても有意義な時間でした。引き続き各種展示会、商談会にも出展していくほか、来月にはアジア初の粉末冶金の国際学会 APMA が京都で開催、口頭発表を行います。今後とも太盛工業をよろしくお願いいたします。
<今後の展示会・学会 予定>
2015 年 11 月 アジア粉末冶金国際会議(京都)
2015 年 11 月 MEDICA (デュッセルドルフ)
太盛工業の社員が語る今月のコラム
こんにちは!太盛工業の酒井と申します。社内システムや業務改善をメインに仕事を行っています。直接お客様と接する機会は少ない業務なのですが、システムは社内の安全や業務に深く関わり、お客様への製品供給や機密保持にも関わる重要部分なので緊張感を持って仕事をしています。オフの日は外へ出かけるのが好きで、連休の時などは北陸や東北など遠くまで出かけて、名勝を訪ね、名産品を食べ歩いています。先日は金沢に行きましたが、「北陸の料理は日本一!」とうなるおいしさでした。海産物、お酒すべてがお勧めです。