MIMとは

金属粉末射出成形(Metal Injection Molding: MIM)は、金属粉末と樹脂およびワックスなどからなるバインダを混合・混練して、金型内に射出成形し、バインダを脱脂したあと焼結して金属製品を製造する技術です。

MIMの工程

MIMの工程 MIMの工程
 内は太盛工業独自の技術です。

MIMの特長

一般的なMIM さらにμ-MIM®により可能となる特長
材料
  • 難加工材、高融点材料も可能
  • 微粉末を使用するため、一般的な粉末冶金製品に比べ表面が滑らか
  • ステンレス鋼が主流
  • 太盛工業は独自開発のバインダシステムを採用したフィードストックを使用
  • 超微細粉末が適用できるため、表面の粗さや精度をさらに向上
  • 一般的なステンレス鋼に加え、チタン、チタン合金、銅、銅合金、
    貴金属、新規合金材料も可能
形状
  • 2つ以上の組み立て部品の一体化が可能
  • 横穴、アンダーカットなど、自由なデザインをネットシェイプで製作
  • 微細文字、模様などの転写性に優れる
  • 薄肉が可能
  • ロストワックスや切削加工品からの転換が可能
  • 3D-μMIM®技術で複雑な中空形状など機械加工では
    実現できない製品も量産可能
  • 極薄肉が可能
成形
  • 自由曲線などを持つ複雑な形状を成形できる
  • 多色成形により、異材質の組み合わせが可能
  • プラスチック成形技術で培った技術でプラスチックと
    同等レベルの難易度の成形が可能
  • 太盛が開発に協力したシミュレーションソフトにより、
    条件の最適化を提案可能
太盛が開発に協力したシミュレーションソフトによりによる解析
特性
  • 部品間の品質のバラツキが小さい
  • 相対密度が95%以上と高いため、
    一般的な粉末冶金製品に比べ機械的性質が優れる
  • 熱処理、メッキなどの各種表面処理が可能
  • 二次加工が不要なレベルの精度を実現

精度・仕様

一般的なMIM μ-MIM®
材料 長さ <50mm <10mm 
大きくても一方向30mm程度
厚さ 0.5~5mm
最小肉厚 0.3mm(部分的) 0.1 mm (6 mm角)
最小穴径 0.3mm(部分的) Φ0.03mm
(一般的な機械加工での
限界 φ0.05mm)
寸法公差 5mm以下 ±0.03mm ±0.01mm
5~10mm ±0.04mm ±0.03mm
10~20mm ±0.08mm
20~30mm ±0.15mm
相対密度(%) 95~98 >98.5
表面の粗さ Ra <3μm 0.3μm(超微細粉末の場合)
Rmax <10μm 2~10μm
重量 <50g ≦ 10g

*形状・粉末粒径・鋼種によって異なりますので、詳細につきましてはお問合せください。

μ-MIM® とは

超精密 MIM(μ-MIM®) とは文字通り、マイクロオーダーの MIM 製品のことであり
製品サイズの小型化はもちろんのこと、その精度や品質まで対応の幅が広がる事で近年ニーズが
急拡大してきています。必要となってきている主な理由としては、

  • ① 機械加工、金属加工、切削加工が困難な材質・形状を有する小型部品の量産化
  • ② 組立・接合が困難な小型部品の一体化によるコスト低減
  • ③ 通常の MIM では対応困難なサイズ・精度の保証
  • ④ 機能集積による製品の高付加価値化

などがあります。
汎用の MIM では、数ミリメートルから数センチメートルのサイズの製品が多く、
寸法許容差はほぼ 10 分の1から5%程度ですが、
製品のサイズが小型化するほど寸法許容差を小さくすることが困難になってきます。
そこで、太盛工業では小型化のニーズに対応しながら、寸法精度も汎用 MIM 製品と同等以上の高品質を有する超精密 MIM(μ‐MIM®) の開発を行ってまいりました。

μ-MIM 寸法精度と製品サイズ