μ-MIM技術ニュース Vol.06

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

難削材での極小ノズルの量産化に成功

一般的にノズル加工では、径が小さくアスペクト比の高い、テーパや円弧の寸法精度と滑らかな加工面が要求されます。身近な例では、筒内に燃料を直接噴射するガソリンエンジンやディーゼルエンジンのノズルでは噴霧特性が与える性能面への影響が大きいため、さらなる効率化を目指したノズルの改良・開発が続けられています。しかしながら、数値計算やシミュレーションから得られた最適な流路設計を実際の加工・量産で実現することは非常に困難となっております。特に1 mm以下のノズルの加工では内径が単純なストレートの穴加工の場合であっても工具の損耗も激しく、耐食性や耐摩耗性に優れるステンレス材・チタン合金については特に加工難度が高くコストが跳ね上がり、加工自体も長時間を要するため、量産可能な生産能力の確保も難しくなります。

極微小ノズル

世界のMIM業界初17-4PH材材に0.03mm穴を実現

微細ノズルの様子

今回は一般的な機械加工での限界とされるφ0.05mmを下回るφ0.03mm、アスペクト比5での量産化が可能となりました。このサイズ感は髪の毛の太さの半分以下、痩せたミドリムシがなんとか1匹通れるかどうかという大きさになります。

これまでにも紹介してまいりました、μ-MIMで培った“金型技術”“成形技術”微粉での“高密度焼結技術”によって緻密で金属材料の本来持つ、なめらかな結晶状態に仕上がることで、表面粗さRa=0.3μmを後加工なしの状態で実現しています。

今回のような微細加工では最新のレーザー加工でも加工淵部分の微細領域ではドロスの付着や熱による影響の残留は避けられません。微細ノズル、複雑な流路の確保が必要な部品加工には、是非μ-MIMによる製造をご検討ください。

社員コラム

タイでの研究開発を担当しております田家真紀子です。
8月28日から31日にシンガポールのマリーナベイサンズで開催されたMedical Fair Asiaに出展しました。今回は株式会社ワークス、株式会社狭山金型製作所とそのシンガポールで共同事業をしているSanwa Plastic Industry Pte Ltdとともに出展しました。
3日間とも終日来場者が多く、我々のブースにも常に来客がありました。μMIMのサンプルを見て我々の技術に驚かれる方が多かったです。MIMの知名度が高く、MIMについて概要を説明する機会が少ない中で、この反応を得られたことに手応えを感じました。

社員コラム