TECHNIQUE 技術ニュースレター
μ-MIM技術ニュース Vol.07
精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter
「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!
3D-MIMでどのような形状も高精度に量産
機械加工は精密加工における代表的な工法ですが、求められる精度や形状の複雑さに比例して工数が増し、コストが増大します。また、加工時の材料ロスが多く加工時間も掛かるため大規模な量産には向かない工法です。
3D-MIMでは機械加工と同等の精度で複雑形状部品の安定した量産が可能です。加えて、複数部品の一体化による大幅な加工コストダウンの見込める製品でもっとも工法転換のメリットが生じます。機械加工でも不可能だった、複雑形状部品も独自開発の3D-MIM技術により実現可能です。今回ご紹介する工法では通常の成形金型では、離型が不可能な中空構造やアンダーカットを有する複雑形状の部品や、微小キャビティの多い製品の作製が可能です。
具体的には下図のように樹脂の中子(犠牲型)を作製し、それを用いてMIM材でのインサート成形を行います。そのままでは中子が成形物中に残ったままですが、その後の脱脂工程の際にこの犠牲型は分解し、完全に除去されるため、金属の焼結体だけが残り、最終形状となる部品を得ることができます。
自由な設計をそのまま量産化へ繋げます

弊社はプラスチック射出成形を元にMIMの技術開発を行ってきた会社であるため、射出成形に関する技術はMIMメーカーの中でも随一です。
左図のような内部に自由曲面の多い袋小路状の分岐流路を持つ部品は、機械加工で加工することは不可能です。最新の金属3Dプリンターでも平滑な流路の表面を得ることはできず、高精度が要求される量産はこのような特殊な手法でなければ実現できません。
社員コラム Micronora on 25-28 September 2018
ドイツ事務所の中村いずみです。9月25-28日に初めて、フランスのブザンソン市で2年に一度開催される世界最大のマイクロ技術展、ミクロノラ展に出展して参りました。
会場にはフランスを始め、スイスやドイツ、イタリアなどヨーロッパ諸国の技術購買、開発部門等の方たちが最新のマイクロテクノロジーを見て、各社の製品に適用すべく熱心に様々なブースを訪問して話をしていました。
展示している会社は35%がマイクロMIMホールディングのように国外の企業でした。驚いたことは、開会時間の午前9時を少し過ぎた頃から近くのブースでシャンペンを開ける音がしたことです!フランスでは大きな商談が決まった時、そのお客様に対してシャンペンを抜いてお出しするのが今でも普通のようです。当社のブースにも既存のお客様や、新規のお客様も多く立ち寄って下さいました。MIMを知っている方々が多くいらっしゃったのも嬉しい事です!
